おくの細道2012

札幌の紀伊國屋でも取り扱いを開始した、ということで、さっそく買ってきました。『おくの細道2012』です。
いやあ、それにしても濃いな……。
何から手を付けて良いのかわからないので、とりあえず「DVD作品」としての話から。構成とかそっちの話。
個人的な好みの話なので、監督の小嶋さんが意図的に行っているんだったら、何となくアレなんですけど、日付と曜日の他に時間も適宜、表示してくればわかりやすいのに……というところとか。日付のスーパーは入る訳だし。何時に東京を出発して、何時に最初の目的地のスパリゾートハワイアンズに着きました、ていう「各目的の到着時間」だけでも表示してくれたら親切だし、距離感も、もうちょっと伝わるような気はするんですよね。時間がわかるようなものが全然、無かったので。
エンドロールでインタビューされてる方のお名前も出て来るんですが、旅館の女将さんとか、契約会の会長さんとか、津田さんからの紹介が有ったタイミングで名前スーパー出しても良いんじゃないかなー。それだとやっぱり説明多過ぎるのかしら。情報番組とかドキュメンタリーだったら必要だったのかもしれないけれど。あと、津田さんご一行のメンバーもね、最初にさらっと紹介してくれても良かったと思うのです。小嶋さんと香月さんと3人で向かってたのかと途中まで思っていたし。
怒られてる香月さんとか超居た堪れないんだけど、そういう本来ならオフになりそうなやりとりとか、寝起きの津田さんとかが随所に含まれてるから、堅い報道とか、ドキュメンタリーになり過ぎないのかもしれないですね。

肝心の内容ですが、うーん。スパリゾート辺りとか、何となく普通の情報番組とかグルメリポートっぽくて、「あのアイス美味しそう」とか、スパリゾートも行ってみたいなー、「顔認証とかハイテク凄い」とか呑気に観てたんですけどね。南三陸の方とか「これが1年近く経った映像なのか」という衝撃。確かに直後は観たような気はする。でも、正直なところ忘れていたし、過去のモノだと思っていた部分は少なからず有って。雪の多いところも有るけれど、雪の無いところなんて、空は綺麗なのに、綺麗な空と未だ残っている瓦礫とか、全壊したまま残ってる建物とかの対比が。晴れてる分、それが余計に残酷で、私自身は何も知らなかったな、というか。観てみないとわからないことも多い、というのを改めて気が付きますね。
いや、もう、地元の方に掛ける言葉なんて思い付かないですよ。本当に。忘れていた自分が何か言うなんて、それこそ完全に偽善になってしまう。偽善ですら無いかもしれない訳だし。ただただ、すごいなー、かっこいいなー、という感想しか出て来ない。


あ、あと、まあ、余談的な感想ですが、冒頭から構成の話をしていたのは、ずっと怒られる香月さんを観ながら、昔の自分を思い出して居た堪れなくなったから、という部分が大きいな。マスコミ関連の仕事をしてたときのことを思い出していた。観てて居た堪れなくなったし当時の私もマジで出来が悪くて、出来が悪かったが故に、今は全く違う業種な訳ですが。でも、あの空気というか、雰囲気は決して嫌いではない。未練もちょっと残ってたりする。未練が残ってるのに何もしない自分に少しだけ苛々してたりもするんですよ。だから言葉が見付からない。それも自覚してる。

最終的には妙な自己啓発に行き着いた訳ですが、復路……復路って呼んで良いのかわかりませんが、続きも有るようなので、何気に楽しみにしていたりします。